検討中が36.8%というのは、いちばん多い状態です。やらないと決めたわけでもなく、やったわけでもない。
この状態になる理由は、書き始めるとすぐ行き止まりに当たるからです。全面禁止は書けない。かといって自由にどうぞとも書けない。
全面禁止が書けないのは、業務時間外の私生活に関わるからです。どこまで制約できるかは法令上の定めがあり、会社が一方的に決められる範囲は限られています。
自由にどうぞと書けないのは、実際に困ったことが起きているからです。客が写った写真、作業中の画面、まだ公表していない案件名。
だから二つの間で止まります。止まっている間、現場には何の判断材料もありません。
よくある二つの出し方が、どちらも機能しません。
一つめ、SNSの使用は控えるように、という通達。これは守られません。業務時間外の行為を会社が止める形になるので、現場も本気で受け取りません。そして守られていないことを、会社も知っています。
二つめ、会社のことをどんどん発信してほしいという推奨。これも動きません。何を書いていいかわからないので、書かないほうが安全だと判断されます。
どちらにも共通しているのは、書いた側が具体的な場面を想像していないことです。
紙を出した直後に起きるのは、違反の発見ではありません。相談が来ることです。
これを書いていいですか、という質問が増えます。手間が増えたように見えますが、それまで無断で判断されていたものが可視化されただけです。
来た相談には、原則として早く答えます。返事が遅いと、次からは聞かずに出すようになります。せっかく作った相談の経路が一度で死にます。
もう一つ。答えた内容を、紙に足していく。同じ質問は何度も来るので、答えが溜まると紙が実務の形になります。最初から完全な紙を作る必要はありません。
困る範囲を書いた紙と、発信してほしいという依頼は、同じ紙に入れないほうがいい。
混ぜると、現場には制約として届きます。禁止事項の後に書いてほしいと続けば、やらないほうが安全だと読まれます。
推奨を本当にやるなら、別の形になります。会社の公式アカウントを担当として渡す、素材を会社が用意する、書いた人に何らかの形で返す。これは仕事の割り振りの話です。
個人のアカウントで会社のことを書いてもらうのは、業務なのか自発なのかが曖昧になりやすい。業務として依頼するなら、時間の扱いを含めて整理が必要です。ここは規程の範囲に関わるので、確認が要ります。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を自分たちで回している当事者です。現場職も営業職も社内にいて、個人アカウントを持っている人は当然います。
やってみてわかったのは、紙の長さと守られ方が反比例することでした。項目を増やすほど読まれません。
いま残っているのは、写真に第三者が入っていないか、数字と日付は外に出ているものか、社名を書くなら個人の意見と添えるの三点です。これだけなら覚えられます。
もう一つ。社長が自分の発信で線を越えかけたことが二度ありました。受注が決まってうれしくて、公表前の案件名を書こうとした。ルールを作る側が、いちばん危ないことがあります。
だから紙は社長も含めた全員に適用する形で書きました。社員向けの通達にすると、作った側が例外になります。それが一度でも起きると、紙は死にます。
いま何も紙がないなら、最初に一つだけやってください。この一年で、社員の発信を見て心配になったことを三つ書き出す。その三つが、そのまま紙になります。
BEACON(BEYOND PLAYBOOK)は、一般的なSNSポリシーの雛形を外から持ち込むのではありません。BEYOND Holdings 自身が複数の実業で発信を回す当事者として、困った場面の洗い出し → 判断できる基準への書き換え → 相談先の明記 → 答えを足していく運用までを、貴社の現場の形に合わせて一緒に整理します。
まずは無料の情報発信診断で、いま社外にどこまで伝わっているかを確かめてみてください。結果を見ながら、どの一点から書くかを一緒に決めましょう。
※統計の記述は、帝国データバンクが2026年5月15日に公表した調査(2026年5月8日から12日に実施、有効回答1,355社)として複数の報道が一致して伝える数値を参照しています。本稿執筆時点で当該リリースの原文は参照できていないため、原文での確認を推奨します。設問は『企業の社会的信用を損ねる発信を制限する社内ルール』の有無であり、個人アカウントでの発信全般に関する方針の有無とは範囲が異なります。規模区分の定義も調査元の分類にもとづきます。なお、従業員の私生活上の行為に対する制約の範囲、就業規則への定め方、懲戒との関係、業務外の時間に関する扱いについては労働関係の法令および判例上の定めがあり、規程として整備する際は社会保険労務士および顧問弁護士に必ずご確認ください。本文中の人数および件数はすべて説明のための仮の例です。
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