保存の費用を容量で考えると、残すほうが常に正解になります。実際に安いからです。
ところが本当の費用は別のところに出ます。探すたびに、どれが正しいかを判断する手間です。
候補が二つなら迷いません。二十あると、開いて中身を確かめることになります。一回あたり数分でも、人数と頻度を掛けると大きくなります。
さらに重いのは、間違ったものを使うことです。古い見積の様式、改定前の単価表。残しておいたものが、残したせいで事故になります。
捨てる作業が進まない理由は、面倒だからではありません。捨てていいかどうかを誰も決められないからです。
現場の担当は、捨てて問題になるのを恐れます。だから残す。社長は中身を知らないので判断できません。結果として誰も決めず、全部残ります。
だから必要なのは整理の時間ではなく、基準と、捨てていい人の指名です。
捨てるのと同じくらい効くのが、残し方です。候補が多くても、最新が一目で分かれば探す時間は増えません。
やることは二つだけです。最新版だけを一か所に置き、古いものは別の場所に移す。同じ場所に並べて日付で見分けさせるのをやめます。
そして古い側の場所には『過去版』と名前を付ける。開いた人が、これは使ってはいけないものだと分かる。捨てきれないものは、使わせない置き方で無害にできます。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を自分たちで回している当事者です。資料の整理は何度もやって、何度も元に戻りました。
戻った理由はいつも同じでした。整理する日を作ったが、捨てる基準を作らなかった。だから半年後には同じ状態に戻りました。一度の片付けでは解けず、基準だけが残ります。
効いたのは、捨てる担当を決めて責めないと宣言したことでした。宣言する前は、担当を決めても捨てられませんでした。本人が怖いからです。権限ではなく、免責のほうが効きました。
もう一つ。捨てる作業には副産物があります。何を見ていないかが分かる。年数を決めるときに過去を遡ると、ほとんどの資料が作った直後以外は開かれていないことに気づきます。だったら作り方も変えられる。整理の話が、作る側の話に戻ってくる場面が何度もありました。
始めるなら一つで足ります。種類を一つ選んで、残す年数を決める。全部をやろうとすると、今日も始まりません。
GEAR(BEYOND PLAYBOOK)は、整理の作業を代行するのではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、法定保存の対象の切り分け → 種類ごとの年数決め → 捨てる担当の指名と免責の宣言 → 最新版の置き方までを、貴社の業務の流れに合わせて一緒に整理します。
まずは無料の業務ムダ診断で、いまどの業務に負荷が溜まっているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に年数を決める一種類を一緒に選びましょう。
※本記事の整理は一般的な考え方であり、成果を保証するものではありません。帳簿書類や契約関係書類には法令で保存期間が定められているものがあり、電子帳簿保存法等にもとづく保存要件もあります。廃棄の判断にあたっては顧問税理士および顧問の弁護士に必ずご確認ください。本文中の年数は社内資料の運用例として挙げたもので、法定保存期間を示すものではありません。