従業員数を聞かれたとき、相手が人数そのものを知りたいわけではありません。
知りたいのは三つです。頼んだ仕事が終わるのか、担当が倒れたときどうなるのか、来年もあるのか。
人数は、その三つを推し測るための代用品です。代用品なので、人数を聞いても答えは出ません。
だから人数で答えると、相手は自分で換算します。十二名なら、この規模の工事は無理だろう。換算の前提は相手が持っているので、こちらは関与できません。
ここで逆になるのが、大きく見せる方向です。
グループ全体で、協力会社を含めて、といった言い方で数を膨らませる。最初の面談は通ります。
合わなくなるのは、仕事が始まってからです。相手は膨らんだ数字を前提に段取りを組みます。同時に三現場、来週から着手。
そして事業規模や対応可能な範囲について事実と異なる表示を行う行為には、関係法令上の定めがあります。言い方の工夫で済む話ではない領域に入ります。
ぼかす方向も、やはり損です。答えない相手に対して、人は良い方向に想像しません。答えられない理由があるのだろうと受け取られます。
規模の話を守りで終わらせない方法が一つあります。小さいほうが有利な場面を、こちらから挙げる。
挙げられるのは三つです。決まるのが速い、社長が直接出る、少額の仕事を断らない。
どれも事実として確認できます。見積が出るまでの日数、社長が同席した案件の割合、受けている最小の金額。
数字で言えるものだけを挙げること。小回りが利く、という言葉では伝わりません。『見積は原則二日で出します』のほうが届きます。
そして有利な場面を挙げると、不利な場面も言いやすくなります。大規模な案件は受けられない、という話が自然に続けられる。
毎回口頭で答えていると、人によって答えが変わります。会社案内の一ページに、同じ内容を書いておく。
書く内容は四つです。人数、一案件に入る体制、同時に受けられる上限、最長の取引年数。
この一枚があると、営業に出た社員も同じことを言えます。規模の話は、社長だけが答えるものではありません。
言ってはいけないのは、確認できない数字です。協力会社を含めた人数、グループ全体の売上。どこまでを自社として表示するかには定めがあります。
入札や登録の要件として規模や実績の基準が定められている場合もあります。その場合は要件の側に合わせるしかなく、言い方の工夫では通りません。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を自分たちで回している当事者です。規模の小さい会社を複数抱えています。
やってしまったのは、連合全体の人数で答えたことでした。間違いではありませんが、相手が期待したのは全体の体制で、実際に動くのは各社です。段取りの前提が合わなくなりました。
いまは各社の人数で答え、必要なときだけ連合として動ける範囲を足しています。先に小さく答えて、後から足す。この順番にしてから、話が合わなくなることが消えました。
もう一つ分かったのは、上限を言った会社のほうが、継続して頼まれていることでした。受けられないと言われた相手は、その会社の範囲を覚えます。範囲が分かっている相手には、頼みやすい。
逆に、何でも受けると言う会社には、重い案件だけが集まります。断らないと分かっているので、他で断られたものが来ます。
いま規模を聞かれて答えに困っているなら、最初に一つだけ書いてください。同時に受けられる上限と、最も長い取引先との年数。この二つが、人数の不安にいちばん効きます。
MAGNET(BEYOND PLAYBOOK)は、見せ方の技術を外から持ち込むのではありません。BEYOND Holdings 自身が規模の小さい会社を複数回す当事者として、一案件に入る体制の言語化 → 代替の経路の明記 → 受けられる上限の設定 → 取引年数の確認までを、貴社の商売の形に合わせて一緒に整理します。
まずは無料の差別化診断で、いま何で選ばれていないかを確かめてみてください。結果を見ながら、一枚に何を書くかを一緒に決めましょう。
※本記事に記載の人数、件数、金額および期間はすべて説明のための仮の例です。特定の企業の実例ではありません。自社の事業規模、実績、対応可能な範囲について事実と異なる表示を行う行為には、不当な表示に関する関係法令上の定めがあります。入札や登録の要件として規模や実績の基準が定められている場合もあります。会社案内や提案資料に記載する内容については顧問弁護士および発注元の定める要件をご確認ください。