議題の欄を見てみてください。『来期の採用について』『値上げの検討』『新しい取引先の件』。どれも名詞で終わっています。
名詞で書かれた議題には、満たされる条件がありません。採用について話し終える瞬間は、永久に来ない。だから時間が来たら終わるしかなく、終わった時点では何も決まっていない。
進行を工夫しても、この構造は変わりません。上手な進行者がやっているのは、その場で議題を結論の形に言い換えることです。つまり問題は進行ではなく、言い換えが毎回その場で行われていることです。
この話は、誰が決めるかを決めておくことや、決める会議と共有する会議を分けることとは別の層です。
どちらも効きますし、やったほうがいい。ただ、その二つを整えた会社でも会議は止まります。決める人が座っていて、決める会議だと宣言されていても、議題が名詞なら決まらないからです。
直す場所は会議室ではありません。議題を紙に書く段階です。費用はゼロで、変えるのは文面だけです。
この作業をやると、副産物として議題が減ります。結論の形に書けないものが落ちるからです。
落ちたものは消えるのではなく、行き先が変わります。報告は文書に、相談は個別に、決めるものだけが会議に残る。結果として会議は短くなりますが、それは目的ではなく結果です。
逆に増えるものもあります。一行の仮の答えを書く手間です。議題を出す人の負担は確実に上がります。ここを軽く見ると、運用は三回で止まります。
全議題を一度に書き換えるとうまくいきません。次の会議の議題を三つだけ選んで書き換える。
選び方は、過去に二回以上持ち越されたものからです。持ち越しの常習は、ほぼ必ず名詞で書かれています。ここを書き換えると、効果がその日に出ます。
そして会議の最後に一つだけ確認します。『書いた形の答えは出たか』。出ていなければ、議題の形が悪かったか、決める人がいなかったか、情報が足りなかったかの三つのどれかです。原因が三つに絞れる状態になっていれば、次の会議から直せます。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を自分たちで回している当事者です。会議の形は何度も作り直してきました。
いちばん効いたのは、進め方の工夫ではなく議題の書式を一つ決めたことでした。動詞で終える、答えの型を一つ選ぶ、仮の答えを一行。これだけを様式にしました。
意外だったのは、議題を書く人のほうが先に変わったことです。結論の形で書こうとすると、書く段階で自分が何を決めたいのか分かっていないことに気づく。その時点で一度考え直すので、会議に出てくる議題の質が上がりました。
もう一つ。この書式には、副作用があります。決めたくない議題を出しにくくなる。先延ばしを前提にした議題は、結論の形に書けないからです。やりたくないことを議題の形で持ち込んで、場の空気で消してもらう。そういう使い方ができなくなります。これは副作用ではなく、効能だと考えています。
NORTH(BEYOND PLAYBOOK)は、会議術を外から当てはめるのではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、持ち越し議題の洗い出し → 結論の形への書き換え → 答えの型の決め方 → 議題書式の様式化までを、貴社の会議の形に合わせて一緒に整理します。
まずは無料の経営理念・浸透度診断で、決めたことが社内にどこまで届いているかを確かめてみてください。結果を見ながら、書き換える三つの議題を一緒に選びましょう。
※本記事の議題の例は、中小企業で起こりうる場面を想定して構成したものです。特定の企業の実例ではありません。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。
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