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#経営理念#意思決定
Management Column · 2026.10.10

ルールは破られて死ぬのではなく、
黙って破られて死ぬ

決めたルールが守られない。原因は徹底が足りないことだと受け取られていて、朝礼で言い直され、紙が貼り直されます。
実際に起きているのは別のことです。ルールは破られた日に死ぬのではありません。
黙って破られた日に死にます。その瞬間、別のルールが立ち上がっています。

1.例外を認めた瞬間に、ルールが入れ替わる

よくある場面です。値引きはしないと決めている。その決めごとがあるのに、ある案件で社長が『今回は仕方ない』と通す。

このとき表向きのルールは残っています。ところが現場に伝わるのは別のことです。値引きの可否は、社長に持っていけば決まる。

置き換わったルールは、こちらのほうが強い。実際に使えるからです。書かれたルールと、動いているルールが二本になり、現場は動いているほうを使います。

だから『決めたのに守られない』という嘆きは、順番が逆になっています。守られていないのではなく、別のものが守られている。

2.では例外を禁止すればいいのか

禁止に振ると、別の問題が出ます。現場が隠します。

中小企業の商売で、例外がゼロで回ることはありません。客先の事情、材料の都合、人の都合。認めないと決めれば、通さずに済ませる方法が探されます。

禁止すると例外が消えるのではない。報告が消える。

報告が消えると、どこで何回曲げたかが誰にも見えなくなります。見えない例外は、直せません。だから打ち手は、禁止でも黙認でもない三つ目になります。

3.例外を認める、四つの決めごと

①認める権限を、金額と場面で誰かに渡す
全部が社長に上がると、全部が例外になります。この金額まで、この場面なら現場で判断してよいと先に渡す。渡した範囲の中は例外ではなく通常業務です。例外として扱う件数を減らすのが、最初にやることです。ポイント:渡した範囲の中は、もう例外ではない
②認めたら、その場で一行だけ残す
書くのは誰が・何を・なぜの三つだけ。様式は要らず、同じ場所に溜まっていれば足ります。記録が無い例外は、次に同じ相談が来たときの判断材料になりません。重い帳票にすると三回で止まるので、一行に制限します。ポイント:三つの要素を一行で、同じ場所に
③社長が破るときは、破ると言ってから破る
ここがいちばん効きます。『これは決めたことの例外で、理由はこうだ』と先に口に出す。黙って通すのと、宣言して通すのでは、残るものが正反対になります。宣言すればルールは生き、黙れば置き換わります。ポイント:黙って通すか、言って通すかで結果が逆になる
④断るときの言い方を、先に用意しておく
断る言葉が無いと、断れずに通してしまいます。『決めごとなので、ここは変えられない。代わりにこれならできる』の形を一つ持つ。代案のある断り方は、関係を壊しません。用意しておくと、現場も同じ言い方を使えます。ポイント:代案を添えた断り方を一つ持つ

4.記録は、次に断るために溜める

一行の記録が溜まると、使い道が出てきます。多いのは、断る側の根拠としての使い方です。

同じ相手から同じ相談が来たとき、前回認めた理由が残っていれば、今回との違いを具体的に言えます。『前回はこの条件があったから通した。今回はそれが無い』。

この言い方ができると、断る理由が社長の意思から条件の話に移ります。人が断るのではなく、条件が断る形になるので、角が立ちません。

逆に記録が無いと、断る根拠は前例の記憶しかなくなります。記憶は人によって違うので、同じ案件で社内の言うことが食い違う。これが起きると、ルールの信用はもう戻りません。

5.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を自分たちで回している当事者です。決めごとを作っては崩し、また作り直してきました。

いちばん痛かった失敗は、社長が自分で黙って例外を通した会社でした。悪意はなく、むしろ相手を助けるための判断でした。それでも、半年後には同じ決めごとが誰にも参照されなくなっていました。

ここから学んだのは、例外の是非より、宣言の有無が効くということです。例外を通した回数が多い会社でも、毎回宣言していればルールは残っていました。回数が少なくても黙って通した会社では、残っていませんでした。

もう一つ。この作法は社長自身が得をします。宣言する癖がつくと、通す前に理由を言葉にすることになる。言葉にできない例外は、その場で止まります。判断の質が、宣言という形式だけで上がるのは、やってみて意外だった点です。

次に相談が来たとき、やることは一つで足ります。通すなら、通すと言ってから通す。紙を増やす前に、ここだけ変えてみてください。

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6.NORTH は、渡す範囲の線引きから一緒に立つ

NORTH(BEYOND PLAYBOOK)は、規程の文面を外から持ち込むのではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、社長に上がっている判断の棚卸し → 渡せる範囲の線引き → 一行記録の置き場所 → 代案つきの断り方の用意までを、貴社の商売の形に合わせて一緒に整理します。

まずは無料の経営理念・浸透度診断で、決めたことが社内にどこまで届いているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に渡す一つの範囲を一緒に決めましょう。

※本記事の例は、中小企業で起こりうる場面を想定して構成したものです。特定の企業の実例ではありません。就業規則や労働条件に関わる社内規程の運用については、関係法令にもとづく取扱いがあり、個別の判断は社会保険労務士および顧問の専門家にご確認ください。本文中の手順は一般的な整理であり、成果を保証するものではありません。

記事はここまで

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