輸出先の順位は、米国が2,762億円で1位、香港が2,228億円、台湾が1,812億円でした。主要な輸出先はすべて前年を上回っています。
ただ倍近く伸びたのは国ではなく品目でした。緑茶の98.2%増は、粉末状の抹茶などが欧米や東南アジアで増えたことが背景とされています。
この統計は農林水産物と食品が対象なので、工業製品を含む輸出全体の話ではありません。それでも読み取れる構造は共通しています。海外で動くのは『日本の商品』ではなく、具体的な一品目です。
輸出を考えるとき、最初に出てくるのは『どの国が有望か』です。人口と経済規模で選びたくなります。
ところが実務で最初に当たるのは市場規模ではありません。規格、表示、検疫、決済の四つです。
そしてこの四つは、品目ごとに違い、国ごとにも違います。だから二品目を三か国に出そうとすると、確認すべき組み合わせが六つになります。中小企業の手持ちの時間では回りません。
絞る理由はここです。一か国・一品目なら、確認は一組で済みます。
輸出は立ち上がりに時間がかかります。だから続ける理由が見つかりやすく、やめにくい。
始める日に、やめる条件を一つ書いておきます。書き方は金額と期間の両方です。投じる額の上限と、見直す時期。
そして見るのは売上ではなく、二回目の注文が来たかどうかにします。一回目は試し買いで入ります。二回目が来ない品目は、価格か品質か条件のどこかが合っていません。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を自分たちで回している当事者です。海外に出す側も、海外から仕入れる側も経験があります。
やってみて効いたのは、一か国に絞ったことでした。複数国を並行して検討していた時期は、どの国の要件も中途半端にしか分からないまま時間が過ぎました。一か国に絞った途端、調べることが有限になりました。
逆に失敗したのは、相手が大きい取引先だったときです。初回から大きなロットを求められ、合わせるために在庫を抱えました。最初の相手は、小さく試してくれる相手のほうがいい。これは国内の新規事業と同じでした。
もう一つ。輸出は新規事業の中では珍しく、商品を作り直さなくても始められる打ち手です。すでにある商品を、まだ売っていない場所に出すだけ。だから新しい柱を探しているなら、作る前に、出す先を増やせないかを一度見る価値があります。
なお、品目ごとの規制や相手国の要件は変わります。実際に動かす前に、ジェトロや所管官庁、通関の専門家に必ず確認してください。
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※統計の記述は、農林水産省が2026年2月3日に公表した2025年の農林水産物・食品の輸出実績(速報、財務省『貿易統計』にもとづく)を参照しています。同統計は農林水産物および食品を対象としたもので、工業製品を含む輸出全体の動向を示すものではありません。輸出入の手続、品目ごとの規制、相手国の規格・表示・検疫の要件は品目と国によって異なり、変更されることがあります。個別の案件については日本貿易振興機構(ジェトロ)および所管官庁、通関の専門家にご確認ください。
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