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#新規事業#集客・新規
Management Column · 2026.10.12

緑茶が98.2%増えた年に、
一品目だけ出す

農林水産省が2026年2月3日に公表した速報では、2025年の農林水産物・食品の輸出額は1兆7,005億円、前年比12.8%増で13年連続の増加でした。
ただ、総額よりも中身が示唆的です。緑茶が720億円で98.2%増、ホタテ貝が906億円で30.4%増。
伸びているのは市場全体ではなく、特定の品目です。

1.伸びは、国ではなく品目で起きている

輸出先の順位は、米国が2,762億円で1位、香港が2,228億円、台湾が1,812億円でした。主要な輸出先はすべて前年を上回っています。

ただ倍近く伸びたのは国ではなく品目でした。緑茶の98.2%増は、粉末状の抹茶などが欧米や東南アジアで増えたことが背景とされています。

この統計は農林水産物と食品が対象なので、工業製品を含む輸出全体の話ではありません。それでも読み取れる構造は共通しています。海外で動くのは『日本の商品』ではなく、具体的な一品目です。

2.国の大きさで選ぶと、壁の数が増える

輸出を考えるとき、最初に出てくるのは『どの国が有望か』です。人口と経済規模で選びたくなります。

ところが実務で最初に当たるのは市場規模ではありません。規格、表示、検疫、決済の四つです。

市場の大きさは、売れてから効く。最初に効くのは、通るか通らないか。

そしてこの四つは、品目ごとに違い、国ごとにも違います。だから二品目を三か国に出そうとすると、確認すべき組み合わせが六つになります。中小企業の手持ちの時間では回りません。

絞る理由はここです。一か国・一品目なら、確認は一組で済みます。

3.最初の一組を選ぶ、四つの基準

①そのまま出せるものを選ぶ。作り替えない
輸出用に仕様を変えると、売れる前に費用が出ます。いまの商品のまま出せるものを探す。表示の追加や包装の変更で済む範囲に留める。最初の一品目は、試すためのもので、育てるためのものではありません。ポイント:作り替えが必要なものは、二品目目にする
②すでに引き合いが来ている先から選ぶ
ゼロから探すより速い入口があります。過去に海外から問い合わせや注文が来たことがないかを調べる。展示会の名刺、サイトからの英語の問い合わせ、既存客の海外拠点。一度でも引き合いがあった国は、理由がある国です。ポイント:引き合いの記録は、最短の市場調査
③決済と輸送の条件を、先に一つ決める
売る話より先に、どうやって代金を受け取り、どうやって運ぶかを一通り決めます。初回は前払いにする、運送は専門の事業者に任せる。条件を一つに固定すると、二件目から交渉だけになります。ポイント:売り方より、受け取り方を先に決める
④無料で使える窓口から始める
規格や表示は自力で調べきれません。日本貿易振興機構(ジェトロ)の新規輸出1万者支援プログラムは、登録した事業者に専門家の個別カウンセリングを無料で提供しています。有料の相談を探す前に、ここで一度整理するのが順番です。ポイント:公的な無料相談を、最初に一度通す

4.やめる条件も、同時に決める

輸出は立ち上がりに時間がかかります。だから続ける理由が見つかりやすく、やめにくい。

始める日に、やめる条件を一つ書いておきます。書き方は金額と期間の両方です。投じる額の上限と、見直す時期。

そして見るのは売上ではなく、二回目の注文が来たかどうかにします。一回目は試し買いで入ります。二回目が来ない品目は、価格か品質か条件のどこかが合っていません。

5.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を自分たちで回している当事者です。海外に出す側も、海外から仕入れる側も経験があります。

やってみて効いたのは、一か国に絞ったことでした。複数国を並行して検討していた時期は、どの国の要件も中途半端にしか分からないまま時間が過ぎました。一か国に絞った途端、調べることが有限になりました。

逆に失敗したのは、相手が大きい取引先だったときです。初回から大きなロットを求められ、合わせるために在庫を抱えました。最初の相手は、小さく試してくれる相手のほうがいい。これは国内の新規事業と同じでした。

もう一つ。輸出は新規事業の中では珍しく、商品を作り直さなくても始められる打ち手です。すでにある商品を、まだ売っていない場所に出すだけ。だから新しい柱を探しているなら、作る前に、出す先を増やせないかを一度見る価値があります。

なお、品目ごとの規制や相手国の要件は変わります。実際に動かす前に、ジェトロや所管官庁、通関の専門家に必ず確認してください。

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6.SEED は、最初の一組を選ぶところから一緒に立つ

SEED(BEYOND PLAYBOOK)は、海外展開の計画書を外から持ち込むのではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、過去の引き合いの洗い出し → そのまま出せる品目の特定 → 一か国への絞り込み → 決済と輸送の条件決め → 公的窓口の使い方までを、貴社の商品に合わせて一緒に進めます。

まずは無料の新規事業の種・診断で、自社の中に何が残っているかを確かめてみてください。結果を見ながら、最初に出す一品目を一緒に選びましょう。

※統計の記述は、農林水産省が2026年2月3日に公表した2025年の農林水産物・食品の輸出実績(速報、財務省『貿易統計』にもとづく)を参照しています。同統計は農林水産物および食品を対象としたもので、工業製品を含む輸出全体の動向を示すものではありません。輸出入の手続、品目ごとの規制、相手国の規格・表示・検疫の要件は品目と国によって異なり、変更されることがあります。個別の案件については日本貿易振興機構(ジェトロ)および所管官庁、通関の専門家にご確認ください。

記事はここまで

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