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#新規事業#人材育成
Management Column · 2026.10.18

立ち上げた人が、
そのまま育てると失速する

新規事業は、立ち上げた人がそのまま育てるべきだ。経緯も客も知っているし、思い入れがある。
この前提が、二年目の失速を作ります。
理由は能力の優劣ではありません。一年目と二年目で、必要な仕事が入れ替わるからです。

1.一年目と二年目で、仕事の性質が逆になる

一年目に必要なのは、決めて動かす仕事です。まだ何も決まっていないので、毎日が判断です。客を探す、値段を決める、断られて直す。

二年目に必要なのは、同じことを繰り返す仕事です。回り始めたものを、毎月同じ品質で出す。納期を守る、原価を管理する、問い合わせに同じ水準で答える。

この二つは、得意な人が違います。決めるのが得意な人は、繰り返しを退屈だと感じます。逆に、繰り返しが得意な人は、決まっていない状態を苦しいと感じます。

だから二年目の失速は、やる気の問題として見えますが、配置の問題です。

2.立ち上げ役が繰り返しをやると、何が起きるか

よく起きるのが三つあります。

一つ目は、仕様が増え続けること。決めるのが得意な人は、聞かれるたびに新しい形を作ります。一年目はそれが強みでしたが、二年目には管理できない数の型が増えます。

一年目の強みが、二年目にはそのまま弱みになる。

二つ目は、本人が飽きること。やることが決まった業務は、立ち上げ役にとって面白くありません。注意が別の案件に向き始めます。

三つ目は、引き継げなくなること。全部を本人が決めてきたので、判断の理由が本人の頭にしかない。二年目の終わりには、誰も代われない状態になっています。

3.役を入れ替える、四つの決めごと

①交代の時期を、売上ではなく仕事の中身で決める
金額で決めると判断が遅れます。見るのは一週間のうち、新しく決めることと繰り返しの比率です。繰り返しが半分を超えたら交代の時期。売上がまだ小さくても、中身が繰り返しに変わっていれば入れ替えます。ポイント:決めることの割合が半分を切ったら交代
②立ち上げ役には、次の立ち上げを渡す
外すのではなく、移します。次の種か、既存事業の立て直しを渡す。これが無いまま外すと、降格として受け取られます。立ち上げが得意な人は社内で希少なので、その能力を遊ばせないほうが得です。ポイント:外すのではなく、次の立ち上げへ移す
③回す役に引き継ぐのは、手順ではなく『変えてはいけないもの』
手順書は後から作れます。先に渡すのはこの三つは変えるなという線です。値段の下限、受けない仕事の条件、客に約束していること。変えてよい範囲が広いほど、回す役は自分で動けます。ポイント:渡すのは手順より、変えない線
④客への伝え方を、交代の前に決める
立ち上げ役が客と直接つながっている場合、交代は取引の不安になります。交代の理由を『体制が固まったから』として、前任と後任が一緒に伝える。前任が消えると、客は縮小したと受け取ります。ポイント:前任と後任で一緒に伝える

4.交代しない判断もある

入れ替えが常に正解ではありません。交代しないほうがいい場合は二つです。

一つ目は、まだ決めることが多い段階。繰り返しに見えても、月ごとに条件が変わっているなら一年目が続いています。

二つ目は、立ち上げ役が繰り返しも得意な場合。まれですが、います。この場合は無理に動かさず、次の立ち上げを兼務で渡す形にします。

どちらにしても、判断する日を先に置いておく。一年後の同じ月に、比率を見て決めると書いておきます。

5.実業の当事者として言えること

私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を自分たちで回している当事者です。立ち上げも、引き継ぎも何度も経験しました。

いちばん大きな失敗は、立ち上げた本人が『自分が続ける』と言ったのを、そのまま通したことでした。本人の意欲は本物でした。それでも二年目の後半から数字が伸びなくなり、理由を探して一年使いました。

後から見れば、本人は決めることが無くなった時点で力を発揮できなくなっていた。やる気はあるのに成果が出ないので、本人がいちばん苦しんでいました。

いまは、立ち上げの段階で『軌道に乗ったら渡してもらう』と先に言っておくようにしています。先に言えば降格ではなく設計になる。言わずに後から外すと、本人の評価の話になってしまいます。

もう一つ。回す役に渡すときに効いたのは、変えてはいけないものを三つだけ書くことでした。手順書を厚く作った引き継ぎより、三行のほうが機能しました。渡す側が本当に守りたいものは、だいたい三つに収まります。

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6.SEED は、交代の設計から一緒に立つ

SEED(BEYOND PLAYBOOK)は、新規事業の計画を外から持ち込むのではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、決めることと繰り返しの比率の測り方 → 交代の時期の設定 → 変えてはいけない三行の書き出し → 客への伝え方までを、貴社の事情に合わせて一緒に組みます。

まずは無料の新規事業の種・診断で、自社の中に何が残っているかを確かめてみてください。結果を見ながら、いまの段階がどちらかを一緒に確かめましょう。

※本記事の整理は一般的な考え方であり、成果を保証するものではありません。担当の変更にともなう職務や処遇の変更については就業規則および関係法令にもとづく取扱いがあり、個別の対応は社会保険労務士にご確認ください。本文中の期間はすべて説明のための目安です。

記事はここまで

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