代理店経由の売上だけが立ち、客の情報が来ない状態が続くと、三つのことが決められなくなります。
一つ目は、値決めです。誰がどの用途で使っているかが分からないと、値段を上げられる客と上げられない客の区別がつきません。結果として、全体を一律で考えるしかなくなります。
二つ目は、商品の改良です。使った人の不満が届かないので、どこを直せばいいかが分かりません。代理店から来るのは『もっと安く』が中心になります。
三つ目は、次の販路の判断です。どの業種で、どの規模の客に売れているかが分からないと、次にどこへ広げるかが決められません。
代理店に出して軽くなるのは、売りに行く手間です。これは確かに軽くなります。
軽くならないのは、作る責任と、値段を決める責任です。この二つは自社に残ったまま、判断の材料だけが外に出ます。
だから比べるべきは、取り分の率ではありません。渡す取り分の代わりに、何を受け取るかです。ここを決めずに率だけ交渉すると、安い率で情報も来ない形になります。
両方やる場合、必ず衝突が起きます。線を先に引いておきます。
引き方で一番もつれないのは、相手で分けることです。地域で分ける、規模で分ける、業種で分ける。商品で分けるのは、同じ客が両方を買う場合に破綻します。
そして代理店から来た引き合いには、自社で直接応じないと決める。例外を一度作ると、代理店は情報を出さなくなります。
逆に、自社が先に接触していた客については、先に接触した記録がある場合は直販とすると書いておく。記録が無いと、この主張はできません。
私たちBEYONDは、外から助言するコンサルではなく、中小企業同士が連合して複数の実業を自分たちで回している当事者です。売る側も、売ってもらう側も経験があります。
売ってもらう側で失敗したのは、率だけを交渉したことでした。取り分を抑えることに集中して、情報の条項を入れませんでした。三年後、自社の商品を誰が使っているか説明できない状態になっていました。
代理店の側に立って分かったのは、情報を出すことに抵抗があるのは当然だということです。客の名簿は代理店の資産で、渡せば飛ばされる心配があります。だから『飛ばさない』を先に書く。これが無いまま名簿を求めると、関係が悪くなります。
もう一つ。断られた理由の件数は、名簿より通りやすいというのが実感です。失注の情報は代理店の資産にならないので、出すことの損が小さい。情報の交換を始めるなら、ここから頼むのが一番軽い入口でした。
いま代理店経由の売上があるなら、確かめるのは一つです。その客のうち、名前が分かるのは何割か。半分を切っているなら、次の更新で条項を足す場面です。
SURGE(BEYOND PLAYBOOK)は、販路の形を外から勧めるのではありません。BEYOND Holdings 自身が実業を回す当事者として、いま来ている情報の棚卸し → 受け取る項目の絞り込み → 飛ばさない約束の明文化 → 直販との線引きまでを、貴社の商売の形に合わせて一緒に組みます。
まずは無料の売上診断で、いま案件がどこで止まっているかを確かめてみてください。結果を見ながら、次の更新で足す一行を一緒に決めましょう。
※本記事の整理は一般的な考え方であり、成果を保証するものではありません。販売代理店契約の条項、顧客情報の授受、再販価格に関する取り決めなどには独占禁止法および個人情報の保護に関する法律等にもとづく留意点があり、契約の作成および変更にあたっては顧問の弁護士に必ずご確認ください。本文中の割合はすべて説明のための仮の例です。